長野県特産であるレタスなどの高原野菜を生産・販売している株式会社ベジアーツは、社員の平均年齢が28歳と若いエネルギーにあふれ、成長への意欲が旺盛な農業法人です。「もっと美味しい野菜を作りたい」というこだわりのもと、有機100％のオリジナル肥料（収穫の朝）を使用し、美味しさを追及した野菜生産を行っています。
ベジアーツはAgrionをベータ版から利用している、Agrionトップランナーです。今回はベジアーツの代表取締役社長である山本裕之さんにお話を伺いました。
農業カンパニーとして一緒に働く仲間と長く共に成長していきたい
– まずはベジアーツについて、ご紹介して頂けますか?
ベジアーツはもともと父の代からの農家で、平成14年から私も就農しました。
平成25年に農事組合法人ベジアーツに社名変更し、平成27年に株式会社ベジアーツに組織変更しました。
長野県の東側、御代田町（みよたまち）でレタス類とパクチーなどを生産しています。メイン作物であるレタスの栽培面積は毎年徐々に増えて30haを越え、皆さんご存じのモスバーガーで使用される野菜を作る「モスファーム信州」としても事業を行っています。
「農業をもっと楽しく」「野菜をもっと美味しく」「みんなに喜ばれる農場を創る」を実現するために、農業カンパニーとして日々取り組んでいます。
– 農業界は若手の人材不足と言われる中、ベジアーツには若い社員が多くいらっしゃいますが、何か工夫されていることはありますか?
確かに農業界は全体的に見て人材不足ですが、「農業経営者が足りない」「作業者が足りない」「幹部候補が足りない」など、何の人材が不足しているのかは様々です。
そして、一緒に農業をやりたいという人に対して、受け入れてくれる環境があまり無いのが現状です。
ベジアーツでは明確に、「農業を一緒にしてくれる、共に成長していく仲間」を社員として募集しており、どのように農業を盛り上げていきたいのか情報発信しています。
そういったメッセージが就農希望者に届き、結果としてベジアーツに農業をやりたい若者が集まってくれています。
– 山本さんの農業に対するビジョンに共感し、人が集まってくるのですね。実際ベジアーツの皆さんは、とても楽しんで農業をされていますね。
– ベジアーツの野菜へのこだわりを教えて頂けますか?
うちの野菜は見かけはもちろんですが、徹底的に味にこだわっています。
野菜の評価軸として見かけはもちろん大事なのですが、最終的にお客様の口に入るものなので、味で勝負したいと思っています。そのために農場の土壌分析を行い、その土壌に合った肥料の開発など、少しでも美味しい野菜になるように日々工夫しています。
後は、お客様のニーズに合った野菜を作ることに注力しています。
自分たちの満足だけでなく、お客様が本当に必要としている野菜を作ることが大事だと思っています。
例えば、主力のレタスは契約しているお客様向けに出荷しているので安定して生産する必要があります。パクチーなどはレストランやお客様に直接販売しているので、その時に必要な量を出荷します。
お客様との直接のやり取りの中でニーズを汲み取り、野菜の生産に活かしています。
また野菜を口にされるお客様から直接フィードバックを頂き「美味しい」と言って頂けると、作り手としてとてもやりがいを感じます。
– 美味しさの追求と、消費者目線が徹底されているんですね！
運命的な出会いに導かれ、Agrion誕生
– ベジアーツがAgrionを使うことになった、きっかけは何でしょうか?
始まりは、Agrionを運営しているTrexEdgeの方々が、ベジアーツに訪れてくれたことでした。
農家の現場の課題を聞かれて、農作業にかかる作業時間と作業の経験から適材適所で仕事を割り当てられないかという話をしました。すると「じゃあ、そのサービスをうちで作りますよ！」って、言われて（笑）。
しばらくすると、今のAgrionのプロトタイプを持ってきてくれました。そのアプリを使わせてもらって、意見や要望を話しているうちに、Agrionというサービスになり、今も使っています。
– Agrion誕生の瞬間ですね。Agrionを使われる以前は何か他のサービスを使われていたのでしょうか?
他社の農作業記録サービスも使ってみたのですが、イマイチ使いにくかったです。１つの作業を入力するのに何ページも遷移したり、現場でスマホで記録ができないので事業所に戻って疲れた状態で作業記録を入力したり…。
仕事が終わったら作業の入力が終わっている形にしたかったのですが、Agrionはそれができるのがありがたいです。
– ありがとうございます！スマホで手軽に作業記録できる点はAgrionをお使いの皆様に評価を頂いており、とても嬉しいです。
Agrionで記録をとることを徹底する
具体的なAgrionの利用シーンを教えて頂けますか?
とにかく作業の記録は全てAgrionに入力するようにしています。記録を取るという作業を定着させ、継続することが大切なので。そのためにベジアーツでは1日に4回行うミーティングの中でAgrionに入力をすることを毎回確認し合うようにしています。
– Agrionで記録を取ることを徹底されているんですね。従業員の役割に応じて使い分けたりしていますか?
管理者である私は、従業員の作業記録をPCで見て作業全体を把握するのに使っていますね。
リーダや作業者には圃場でスマホで使ってもらっています。圃場ごとの作業の記録をその場で直ぐに確認できるので便利ですね。
客観的なデータに基づき判断を
– ベジアーツではAgrionでデータを取り続けて1年以上になりますが、そのデータはどのように活用されていますか?
データがたまってきたので、色々と活用方法を模索しています。例えば、特定の圃場にどのくらい作業時間を要しているのかを調べるのに使っています。
実際に去年の記録を見て、全体の作業時間のうち収穫作業が大部分を占めていることが分かりました。では、どうすれば収穫作業の時間を効率化できるのかを検討し、台車の導入など施策を実施しました。
他にも散水や定植に割り当てる人員を調整したり、機材導入する際の判断材料にデータを使っています。
ただデータの分析は私しか見れていないので、従業員にも経営視点でデータを見て活用してもらうことを期待しています。
カイゼンまでのスピードが本当に早いんです
– 恐縮ですが、「Agrionのココがすごい！」ってところがあれば、教えて頂けますか?
色々ありますよ！先ほど、お話したように作業の記録が付けやすいのはもちろんですが、Agrionに要望が反映されるのが早いところが良いですね。
例えば、記録忘れや、作業中の人の表示、作業の検索機能など。そういえば最近は、カレンダー表示の機能がリリースされていましたね。
– Agrionのアップデートをウォッチして頂き、ありがとうございます！
使いやすいに直結しますが、Agrionで記録した作業記録は信頼性が高いです。当たり前のように思えるかもしれませんが、記録の付けやすさは本当に重要です。紙での記録や使いにくいアプリでは、記録が面倒になり、正確に記録を続けていくことが困難でした。Agrionは使いやすいので社員がちゃんと記録を付けてくれています。Agrionを導入したことで、以前に比べ格段に信頼できる作業記録を集められています。
– 使いやすさについては、更に研究を続け積極的に改善を行って参ります！
情報がAgrionに集約されることに期待
– 逆に「Agrionのココが使いにくい」ってところがあれば、遠慮なく教えてください
去年のデータをもとに年次で比較して改善していきたいと思っているので、グラフ集計では期間を複数個選択して比較表示できるともっと便利ですね。
– ご意見ありがとうございます。データの見方についてはPC版からのグラフ集計の機能は改善を行っていきますのでご期待ください。データの分析方法としては、StandardプランのCSV出力機能を使いExcel等でデータを分析するか、Agrionに蓄積されたデータ分析のご相談も個別で承っております。
使いやすさの点で言うと、作業の種類が多くなると一覧から登録したい作業を見つけにくいですね。特定の場所に紐づく作業が事前に登録できたり、頻度の高い作業は上位に表示されたりすると、もっと使いやすいかなと思いました。
後は、どうしても作業終了の記録忘れが稀に起きてしまうのですが、そうした不自然な記録の作業を通知してくれると便利ですね。
収穫の実績登録は使いたい単位が用意されていなかったので、そのあたりも対応してほしいです。
農業経営に関する情報は一元管理していきたいので、Agrionの機能開発に期待しています。収穫の記録、定植の記録、施肥の記録、農薬散布の記録など、作業時間以外の分析も分かりやすく行えると良いですね。
– 具体的なご要望やご期待頂けて、ありがたいです！真の農家のための使えるツールを目指して開発を進めてまいります。Agrionトップランナーのベジアーツ山本さんにAgrionの利用についてお伺いしました。今回はありがとうございました！
所在地：〒389-0207 長野県北佐久郡御代田町馬瀬口94-4
電話：0267-32-2746 FAX：0267-32-3006
メンバー：正社員 9名、パート・アルバイト 10名、外国人技能実習生 8名
栽培作物：栽培品目 レタス、サニーレタス、グリーンリーフ、ロメインレタス、パクチー、はくさい、ほうれんそう、など
そして現在ベジアーツでは、共に日本の農業を変えていく仲間（正社員・インターンシップ）を積極採用中です！
耕作する農地も募集もしています。現在は御代田町近辺、特に御代田町北部地域の農地を探しています。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
